だるまさん、ブランドとこれからの人生を決める。-だるまさんBLOG最終回

2017年04月03日

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前回のお話・・・だるまさん、自分の仕事を見つめ直す。-だるまさんBLOG第8回

 

それから、1年後。
だるまの里の看板屋さんは、今日も忙しく、働いています。

 

でも、前に比べると、看板の制作量は少なくなっていました。

たくさんの看板を作ることと、1つずつ丁寧に看板を作ることを天秤にかけたら、
絶対に後者が自分に合っていると、思ったからです。

制作量が減ってしまったので、一時、生活は厳しいものに
なってしまいましたが、看板を掲げたいお店の希望や
どんなお客さんに来てほしいかを、念入りに聞いて、
設置した後も、ずっと喜んでもらえるように努めました。

ときには、あのワークショップで体験したワークを使って、
看板に求められている「本当に欲しいもの」を、探すこともありました。

その結果は・・・?
最初こそ、収入は減ってしまったものの、
『お店が欲しい、本当の要望を叶えてくれる』看板屋さんとして、
だるまの里以外からも注文が入る、評判の看板屋さんになったのです!!

 

——
ワークショップが終わってから、すぐのこと。
だるまさんは自分が本当にやりたい仕事について、考えていました。

「どんな看板を作りたいかを決められない人の多くは、
自分の商売をどの方向に進めたいかの方針や、
伸ばすべき強みがわかっていないのかもしれない・・・。
お客さんのためにもボクは1人1人のお客さんと、
じっくり向き合って仕事に打ち込みたい」、と。

 

そのためには、たくさんの看板が作れなくなってしまうかもしれません。
お客さんを待たせてしまうことにも、なりそうです。

「自分の進みたい道が、本当に合っているのかな・・・」
悩みつつ、仕事に取り掛かろうたした、その時です!
何処かで聞いたことのある、音が聞こえてきました。

 

パタ・・・、パタパタパタ・・・

以前と変わらず、どこか品のあるトリの姿で登場したブランドリ氏は
実に優雅に、だるまさんの目の前に降り立ちました。

 

『やあやあ! 久しぶりだったね。そろそろ、悩みは解消しそうかい?』

「ブランドリさん!! ああ、お話したいことがいっぱいあって・・・!」

これからのこと、お客さんこと、ワークショップでのこと。
だるまさんは息せき切って話始めましたが、ブランドリ氏の
『まあまあ、落ち着いて。歩きながら聞こうじゃないか』
という提案で、並んで歩きながら話をすることにしました。

 

ワークショップを終え、自分が本当に進みたい道を見つけたことや、一歩踏み出す不安。
飲み込んでいた心配事をブランドリ氏に全部話し終えたとき、
あたりは夕方になっていました。

 

トントントン・・・、カンカン・・・

 

2人は何故だか、だるまさんのお師匠さんの、作業場近くまで来ていました。
雑木林の先にはお師匠さんの看板屋の、作業場が見えます。
木製のフェンスの先には、職人さんが作業をしている姿があります。

懐かしい気持ちであたりを見回す、だるまさん。
作業場の隅にある古ぼけた板には、だるまさんが修行していたときにもあった
何代も受け継がれてきた、教えが書かれています。

 

「懐かしいなあ。女将さんの話では、お師匠さんの先祖は
ずっと遠くの、商人の家系らしいんですよ。
古くから受け継がれる“三方良し”という教えを、代々守っているそうです。」

『ああ! “売り手良し、買い手良し、世間良し”というやつだね。
売り手も買い手も満足して、社会にも貢献できるのが理想の商売だという。
先人は素晴らしい知恵を残してくれたものだ』

だんだんと、東の空が薄暗くなっています。

『・・・業績の良い会社、悪い会社の業績を比較すると、
優れた理念や目標がある会社のほうが、数字が良いという統計があってね。
もっとも、お客様のため、社会のために掲げた目標に従い仕事をこなすのは、
自社の利益のみを追いかけるより大変だが・・・』

 

『・・・理念を持つことで成功につながる、その理由があるとすれば。
嘘偽り無く、心の底からお客様のことや、社員や家族や自分の身の回りの幸せ、
社会の利益を思って行う商売や仕事こそ、周囲に受け入れられる、という証なのではないか。
ワタシはそう考えているんだよ』

「・・・ブランドリさん・・・!!」

だるまさんは、もう迷わないことに決めました。
その夜は、まあるく、大きな月を見ながら、帰りました。
ある、決意を心に胸にして・・・。

—–

【皆様へのお約束】
1つずつ丁寧に看板を作りますので、看板の制作に時間がかかる、看板屋です。
お店や会社が抱える課題や要望に、看板が出来ることを一緒に考えましょう。
ご依頼内容次第で、制作をお断りする場合がございますが、全ては看板をご注文いただく方や、
その先のお客様の為に。お客様や、だるまの里を始めとする、全ての人のために。
だるまの看板屋 拝

——

ほどなく、だるまさんは仕事に対する決意を店に掲げることにしました。
それからしばらくは、大変な日々が続きましたが、繁盛店になったのは前述の通り。
得意の絵で、お店のカードや手紙を飾るようになったのは、もう少し後のお話です。

「なるほど、和菓子をもっと若い人にも食べてもらいたいのですね。
今いるお客さんはどんな方なのでしょう?人気の商品は?・・・」

だるまの里の、だるまの看板屋さんは今日も熱心に、
看板を作っています。

【おわり】


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